・解約ボタンが見つからない!
・無料だと思ったら定期購入だった…
・広告を消すボタンが小さすぎる…
ネットを閲覧したり、ショッピングをしたりする中で、こんな経験したことはありませんか?
こうした、消費者を意図しない行動へ誘導するWeb上の表現は「ダークパターン」と呼ばれています。
日本でも対応が進められ、消費者庁は今年(2026年8月)、このダークパターンの規制を強化する方針を明らかにしました。



こんにちは、WebデザイナーのRIKAです。
私は普段、LP(ランディングページ)をはじめとするWeb制作を仕事にしています。
ダークパターンとWeb制作は密接な関わりがあるので、Webデザイナーとして最低限の知識を持っておくことが大切です。
そこで今回は、Webデザイナー、特に私のようにLP制作を主な仕事にしている方向けに「ダークパターン」についてまとめてみました。
ダークパターンとは?


ダークパターンとは、ユーザーが本来望んでいない行動を取るように、Webサイトのデザインを意図的に設計する手法のことです。
具体例を挙げると、
「在庫残り1個」だから焦って買ったのに、実はたくさんあった!
気づいたら、必要のないオプションまで追加されてた!
申し込みは簡単だったのに、退会の手順が複雑すぎる!
といったものです。
ネット上に溢れているので、皆さんも目にしたことがあると思います。
サイト運営側としては、
- 定期購入に申し込んでもらいたい
- 解約を減らしたい
- 広告をクリックしてもらいたい
といった目的を達成するために、よく使われる手法です。
ですが、やり過ぎればユーザーに誤解を生んだり、騙すことにもなりかねません…
場合によっては、景品表示法や特定商取引法などの法律に抵触する可能性もあります。
実際、ダークパターン対策協会によれば、
国内の被害額が最大で年間約3兆2千億円に及ぶ可能性がある
とのこと。
そんな現状を踏まえ、消費者庁は今年(2026年8月)、こうした「ダークパターン」の規制を強化する方針を発表しました。
ただ、現時点では法改正は成立しておらず、新しい規制も施行されていません(2027年以降を目指しているそう)



Webデザイナーも、今のうちから最低限の知識を身につけておきたいですね。
実際に問題になり得るダークパターンの例
ここでは、実際に問題になり得るダークパターンの例を6つご紹介します。
- カウントダウンタイマー(緊急性の演出)
- 「残りわずか」(希少性の演出)
- お客様の声・満足度98%(社会的証明の悪用)
- 同じポップが何度も出てくる(執拗な繰り返し)
- 定期購入・解約条件を分かりにくくする(妨害)
- ボタンや選択肢による意図的な誘導(インターフェイス干渉)
①カウントダウンタイマー(緊急性の演出)


「今だけ」「あと5分」など時間を区切ることで、焦りや緊急性を感じさせ、深く考えずに購入をうながす。
具体例
- 残り2時間の限定セール
- あと3個で終了
②「残りわずか」(希少性の演出)
在庫や販売数が少ないように見せて、「今買わないと損をするかも」という気持ちをあおる。
具体例
- 残りわずか!
- あと5個で終了
③お客様の声・満足度98%(社会的証明の悪用)


他人の評価や実績を見せることで、「みんなが選んでいる」「信頼できる」と思わせて、購入を後押しする。
具体例
- お客様の声(体験談)
- 人気No.1・満足度98%
④同じポップが何度も出てくる(執拗な繰り返し)
同じ内容のポップアップが何度も表示され、「今すぐ登録しないと損」と感じさせて、行動を繰り返しうながす。
具体例
- クーポンの案内が何度も表示される
- 閉じてもまた出てくる
⑤定期購入・解約条件を分かりにくくする(妨害)
定期購入の仕組みや解約の条件を分かりにくく表示し、気づかないまま申し込んでしまうようにする。
具体例
- 解約方法が見つけにくい
- 定期購入の説明が小さく書かれている
⑥ボタンや選択肢による意図的な誘導(インターフェイス干渉)
目立つボタンの色や配置、選択肢のデザインによって、特定の行動を選びやすくする。
具体例
- 「今すぐ始める」が目立つボタン
- 「あとで」が灰色の小さな文字
ダークパターン=すべて違法ではない
先ほど述べたように、現時点では、ダークパターンを包括的に規制する明確なガイドラインや基準は存在しません。
なので、ダークパターンが、必ずしも法律違反になるというわけではありません。
ただし、ダークパターンの中には、現行の法律に抵触する可能性があるものもあります。
現行の法律
| 法律名 | 詳細 |
|---|---|
| 景品表示法 | 商品やサービスを実際よりも良く見せるなど、消費者に誤解を与える表示を規制する法律。 【違反の具体例】 ・「今だけ半額」と表示しながら、通常価格に戻らない ・「人気No.1」など、根拠のないランキング表示 |
| 特定商取引法 | ネット通販などで、商品の価格や契約条件などを分かりやすく表示し、消費者を守るための法律。 【違反の具体例】 ・定期購入であることを分かりにくく表示する ・解約方法を分かりにくくしたり、解約しにくい仕組みにする |
| 個人情報保護法 | 個人情報を適切に取り扱い、本人の権利や利益を守るための法律。 【違反の具体例】 ・サービス利用に必要のない個人情報まで入力を求める ・個人情報の利用目的を分かりにくく表示する |
Webデザイナー・LPデザイナーとしてどう向き合うか


私自身、これまでWebデザイナーとして、ダークパターンを含むデザインをたくさん作ってきました。
特に「LP制作」ともなると、むしろダークパターンを全く含まないページの方が珍しいのではないでしょうか。
例えば、キャンペーンや先行販売などのページを作る際は「カウントダウンタイマー」を入れることが多いです。
また、どんなジャンルのLPであっても、ファーストビューには、
- 施工実績〇〇件数
- 満足度〇〇%
- 楽天ランキング〇〇位
といった信頼感につながる表現は、できるだけ多く入れるようにしています。
ですが、正直に言えば、過去には依頼者から原稿をいただいた際に、



これ、本当に根拠のある数字なのかな?
と疑問に思ったことも多々あります。
また最近では、AIで生成したような「お客様の声」を使っているケースも見かけるようになりました。
とはいえ、それが本当に根拠のある数字なのか、本当に実在するお客様からもった口コミなのか、デザイナー側で判断するのは難しいですよね。
依頼者に対して、「これは本当の口コミですか?」と確認するのも失礼ですし、なかなか難しいものです。
数字や表現に「根拠」があるかどうかが鍵
述べてきたように、今後日本でもダークパターンに対する規制は、ますます強まっていくと考えられます。
そして、規制があるから注意するという以前に、ユーザーに誤解を与えたり、騙すようなデザインを作ったりすること自体、避けるべきです。
Webデザイナーとして、自分が作ったデザインによって、ユーザーに誤解を与えないかを意識しながら作ることが大切だと思います。
場合によっては、原稿をもらった段階で「明らかにユーザーを誤解させる表現を使おうとしている」事業者からは、依頼を受けないという姿勢も必要かもしれません。
もちろん、何度も述べてきたように、ダークパターンが必ずしもすべて違法というわけではありません。
大切なのは、その数字や表現、仕組みにきちんと根拠があるということ。
例えば、
- 解約や退会をしたいユーザーが、スムーズに手続きできるようになっているか
- 「残り在庫1個」という表示は、本当に実際の在庫データに基づいているか
- カウントダウンタイマーは、本当に期限が来たら終了するようになっているか
- 定期購入などの注意事項が、読める文字サイズで分かりやすく表示されているか
- 「無料」という表示に偽りはないか。手数料や送料などが後から追加されないか
こうしたユーザーファーストの視点からデザインを作ることが、これからのWebデザインではより大切になってくるのだと思います。













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